ABASaCで使用している行動アセスメントやセラピー,子育てに便利なツールや教材・おもちゃの一部をご紹介しています。
★印のものは印刷してお使い頂けます。
好子とは,行動の直後に呈示することでその行動が将来的に増えたり強まったりしたとき,その呈示したものを好子といいます。
応用行動分析学に基づいたセラピーや子育てでは,それぞれのお子さんの好子が何であるのかを把握することがとても大事です。
これは,好子となりそうなものを把握するための記録用紙です。
ご家庭でセラピーをおこなう際に,いつどのような内容の課題や遊びをおこなっているのか,その出来具合などを記録する用紙です。
コンサルテーションの際に,この記録用紙をもとに話し合いをおこなうことで,次の課題がみえやすくなります。
療育をしていると,なかなかできない部分に着目して,よい変化に気づかないことがあります。
目に見える形で記録をしておくことで,よい変化に目を向けやすくなってきます。
よい変化をリストにしておくと,次の機会にも同じような変化を作るためのヒントにもなります。
コンサルテーションの際に,このリストを参照すると,これまでの変化やこれからの課題を見つけることにも役立ちます。
小学校の教室などで身につけていきたいスキルの一覧です。
月に1回など定期的にチェックしていくことで,変化や今の課題を見つけていくことができます。
これら全てを身につけるという発想ではなく,それぞれのお子さんにとって何が今必要かを見つけていくためのチェックリストです。
動物や人形がなわとびやタンバリンを叩く,宙返りをするなど様々な動きをするぜんまいのおもちゃたち。
楽しく遊びながら,名詞や動詞,動詞の時制,要求のことば,多語文での説明など,様々な段階の言語形成の機会に使うことができます。
使い方・遊び方:
子どもがぜんまいを操作できないときには,最初大人が少しだけ動かしてあげます。動きが止まった後に,子どもから目標とする何らかの行動(要求のことばや目合わせ,指差しなど,その子どもの今の目標の行動)があったときに再びぜんまいを動かしてあげます。
その動きに大人がナレーションをつけてもよいですね(例「うさぎさん,ぴょんぴょん」「ねずみさん,チーズ食べているね」など)。
動詞の時制を獲得することが目標の場合,ぜんまいを動かす前に「今から,ペンギンさんは何をする?」,動かした後に「ペンギンさん,何してた?」,最中に「ペンギンさん,何している?」などと質問をしながら,子どもからの動詞の時制を使った説明を待ちます。
他にも,それぞれの動物や人形の特徴を使った理解言語や表出言語の形成の機会に使うことができます。
しかけ絵本は,様々な段階の言語形成の機会に使うことができます。
引っ張ると様々な音が出る絵本や,つまみを上下左右に動かしたり回したり,つまみやページをパタパタめくったりすることで,動物や人が様々な動きをする絵本などがおすすめです。
使い方・遊び方:
絵本を読みながら,適宜子どもの興味に沿って発語(要求言語,報告言語,模倣言語,目合わせや手サインなど)の機会を待ち,発語の直後にそのとおりに絵本のしかけを操作したり,音を出してあげたりするのもよいかもしれません。
「次はどうなる?」「ぞうさん,何している?」「掃除機はどんな音がする?」「トイレは何をするところ?」など,学習段階に応じた質問や指示を投げかけ,子どもからの目的の応答を待ってからそのとおりに絵本を操作してあげるのも楽しい活動となるでしょう。
使い方:
①星型のマス目(3カ所)に各子どもに合わせた好子(おもちゃ,ゲーム,休憩,スナックタイムなど子どもそれぞれの好子)を書き込みます。
②目標の行動が生じたら,すごろくと同じ要領で1マスずつ"〇"にシールを貼ったりやチェックマークを入れたり,クレヨンで塗ったりして,トークン表を進めていきます。
おまけ:
①筆記がターゲットの子どもには,星型のマス目に記入する好子の名前をひらがなやカタカナで書いてもらうのもよいでしょう。
②各マス目を子ども自身に好きな色で塗ったり好きなシールを貼ってもらうのもよいコミュニケーションの機会となります。様々な色ペンやシールを用意しておくと,要求言語(マンド)の学習機会が増えます。
弁別しやすいユニバーサルデザインのひらがなカードです。
清音,濁音,半濁音,拗音,促音,長音のカードがあります。
使い方:
①印刷をして,ひらがな1文字毎にカットします。厚用紙に貼ったりラミネートをしたりして,丈夫なひらがなカードに仕上げます。裏にマジックテープを貼ったり,お薬ボックスに入れたりして保管します。
②ひらがな1文字の聞き取り(受容的弁別)や読みあげ(表出言語)に使ったり,アナグラム(単語完成)や模写筆記に使うこともできます。
繰り下がりのない「2桁-1桁」の引き算を,位を合わせながら計算するための問題用紙です。10の位と1の位のそれぞれがマーカーで色分けされており,同じマーカー色同士を計算する行動を形成します。マーカーは段階的に薄くなっており,最終的にはマーカーなしに計算できるよう,スモールステップ化しています。
はじめてぬりえを学習する子ども向けの教材です。最初は白い部分のほとんどを大人が塗っておき,子どもが塗る面積を狭くしておいて,スモールステップで色塗りの行動を形成していきます。見本となる完成品の横で同じ色を選択して塗る行動を形成することもできますし,子どもに好きな色を選択してもらい,自由に塗る行動を形成することもできます。
使い方:
30分や1時間など,決まった時間内に何をするかを列挙し,大人がその順番を決めたり,子どもと相談をして順番を決めたりします。適宜,休憩やお楽しみの時間を設け,やらなければならない課題を達成することで,これらのお楽しみをする機会を得ることができるようにします。
各課題を達成したら,その横にシールを貼ったり,OKサインを書いたりしていくことで,視覚的に課題の完了を示していくこともできます。
※表を自作することで,それぞれの子どもに合わせて,課題の数や休憩の回数を変えることもできます。
ワークブックやドリルの文字指示を,大人が読んであげたり解説してあげたりすると,解くことができるけれど,一人では難しいお子さん向けの,一人で読んで解く行動を形成する最初のワークです。
このワークには,基礎スキルとして,ひらがなが読めること,◯や△が描けることが必要です。
使い方:
各ページを印刷し,指示ごとに切り分けたり,折ったりして1枚に1課題だけ表示します。
大人は,「読んで,やってみてね」などと伝え,子どもが文字を一人で読んで,その指示通りに行動できるように促します。指示通りにできない場合は,大人が読んであげたり,一緒に読んだりして,もう一度実施し直します。